【プロが教える】パッカー車(ごみ収集車)の基礎知識と日常点検の重要ポイント
【プロが教える】パッカー車(ごみ収集車)の基礎知識と日常点検の重要ポイント
私たちの生活に欠かせない「パッカー車(ごみ収集車)」。街中で頻繁に見かける車両ですが、その内部構造やメンテナンス方法について詳しく知る機会は少ないかもしれません。
パッカー車は強力な圧縮機構を持つ「特種用途自動車」であり、安全に、そして長く使い続けるためには適切な知識と日々の点検が不可欠です。本記事では、パッカー車の種類から、長年数多くのパッカー車の整備・架装に携わってきた環整自工のプロの整備士が推奨する点検ポイントまで徹底解説します。
1. パッカー車とは?
パッカー車は、正式名称を「塵芥車(じんかいしゃ)」と呼びます。家庭や事業所から出たごみを効率よく回収するため、荷台にごみを押し込み、圧縮する装置を備えたトラックのことです。
一般的なトラック(1ナンバーや4ナンバー)とは異なり、法令上は「8ナンバー」の特種用途自動車に分類されます。


2. 仕組みと種類:用途に合わせた3つの積込方式
パッカー車は、ごみを積み込む際の「圧縮方式」によって大きく3つのタイプに分けられます。
① プレス式(圧縮板式)
- 仕組み: 投入口に入れたごみを強力な「圧縮板」で細かく砕き、押し潰して荷箱に送り込みます。
- 特徴: 圧縮力が非常に強く、家具や家電などの粗大ごみも回収可能です。家庭ごみ収集の主流です。
【新明和工業製 GP-X】
◆積込動作◆ ◆排出動作◆


② 巻き込み式(回転板式)
- 仕組み: 投入口の回転板がごみをかき出し、奥へ押し込んでいく方式です。
- 特徴: プレス式に比べると圧縮力は劣りますが、連続してごみを投入できるため、木くずや繊維くずなどの収集に効率的です。
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③ ロータリー式(荷箱回転式)
- 仕組み: 円柱状のドラムが回転し、ネジのようにごみを奥へ送り込みます。
- 特徴: 構造がシンプルで水分が漏れにくいため、生ごみなどの収集に適していますが、圧縮力は最も弱くなります。
3. 事故を防ぐ!整備士が教える「運行前点検」のポイント
パッカー車は可動部が多く、油圧システムを使用しているため、一般的なトラック以上に細かな点検が求められます。大きな故障や人身事故を防ぐため、以下のポイントを必ず確認しましょう。
① 非常停止ボタンの作動確認
パッカー車の事故で最も恐ろしいのは「巻き込み」です。万が一の際、確実に装置が止まるかどうか、毎日必ずボタンの効きをチェックしてください。
② 油圧オイルの漏れ・汚れ
パッカー車の心臓部は「油圧」です。シリンダーやホースからオイルが漏れていないか、タンクのオイル量が適切かを確認します。オイルが劣化したり不足したりすると、異音やパワー不足の原因になります。
③ スイッチ・レバーの接触不良
屋外で作業するパッカー車は、雨水やごみの破片でスイッチ類が痛みやすい環境にあります。「ボタンを押しても反応が遅い」と感じたら、接触不良や配線の断線が疑われます。
④ 各部のグリスアップ
可動部がスムーズに動くよう、定期的なグリス(潤滑剤)の補給が必要です。グリス切れは金属の摩耗を早め、最終的に高額な修理費用につながります。
4. 使用時に注意したい2大リスク
巻き込み事故の防止
回転板や圧縮板に手や服が巻き込まれる事故は、命に関わります。作業中は決して投入口に近づきすぎないこと。また、点検や清掃の際は、必ずエンジンを切り、安全棒や安全ブロックを使用して装置が動かない状態にしてください。
車両火災の防止(スプレー缶・電池)
近年増えているのが、回収したごみの中にあるスプレー缶やリチウムイオン電池が原因の火災です。圧縮時にこれらが爆発・発火し、車両全体が燃えてしまうケースがあります。排出者への周知とともに、積込時の異音や煙に常に注意を払うことが重要です。
5. まとめ
パッカー車は、私たちの清潔な暮らしを支えるヒーローのような車両です。しかし、その強力なパワーゆえに一歩間違えれば危険な凶器にもなり得ます。
「いつもと音が違うな」「動きが少し重いかも」といった小さな違和感を逃さないことが、車両の寿命を延ばし、働く人の安全を守ることにつながります。
パッカー車の架装・修理・点検でお困りですか?
弊社では、専門の技術を持った整備士がパッカー車のメンテナンスをトータルにサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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